アントワーヌ・ダガタ。
どーも、フォトグラファーの大野智嗣です。
会期が始まってから、早く見に行きたいと切望していた展示、アントワーヌ・ダガタ氏の「抗体」を見に行ってきました。
「あの時私とおまえが確かにそこにいた。彼にとって写真とはそういう事だ」
と有るように、写真という事・カメラという道具について息の詰まる痛みを伴う展示でした。
美術館が、家族連れのアミューズメントパーク化してる昨今、このような展示は決してそうはならない。入り口に此の様な内容が書いてあり、そこから覗く会場内の異様な空気に「まぁそうだろうな」と。
沢山の人間が収められたその展示には、流行の生きる力や自己啓発の様な希望はほぼ見出せず、例えるならば救い様の無い絶望の様なもの。
日々、人の幸せを撮る私のようなカメラマンが考えさせられる「別の在り方」がそこには有り。
写真を撮る・撮られるという行為には、記念を残すという部分が大きなウエイトを締めていると思うけど、ダガタ氏のそれには、記録とも言い難い何か証拠じみたメッセージを感じた。
兎に角、自分自身の写真と被写体に対して向き合う姿勢が少なからず変化した事は間違いない。
以外なのは、展示場の片隅に置いてあった冊子に使用機材が載っていたが、OM-DとLeicaM9だったこと。見終わった後のどっしり伸し掛かる痛みが、ちょっと和らいだ気がした。
30日迄やっているようです。見るには少し覚悟要りますが、おすすめです。
アントワーヌ・ダガタ「抗体」
会期:2014年5月23日(金)~ 6月30日(月)
会場:『アツコバルー arts drinks talk 』
協力:赤々舎 マグナム・フォト東京支社
後援: 在日フランス大使館 / アンスティ チュ・フランセ日本
水~土 14:00~19:00 500円(ワンドリンク付) 19:00~ 1,500円(ワンドリンク付)、19:30~『AKA ANA』上映(約60分)
『AKA ANA』:ダガタが撮影した日本人女性7人のポートレート。日本では未発表で今回が唯一の機会。
休館日:火
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